2014-08-18 星の記憶 散文 空を見上げるとシリウスが見えた。 誰かが知ったかぶった。 『ねぇ知っている?あの光はもう何億年も前に放たれた光なんだよ』 そうなんだと、 また別の誰かが感心して言った。 『じゃあ今は、もうそこにないのかもしれないね』あの星がもしももうすでに此処になくて。 ただの残像だというのなら。 ただの想い出に過ぎないとしたら。 今此処にある景色だって。 一体誰かがまだ此処にいると証明できる。 『あの星の名前を知ってる?』 そう話したあの子達。 気付いたらもうそこにいなかった。